銀 Silver

写真関連の製品に多く含まれる銀

身近な金属・銀

貴金属の回収事業というと、金やニッケル、バナジウムといったレアメタルが主となる印象をお持ちの方もいるかもしれません。

しかし、貴金属の中では比較的メジャーな銀も、貴金属回収では重要な資源として回収されます。身の回りで銀が使用されているものというと、やはりアクセサリーが真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか。銀は金に比べるとリーズナブルな値段で手に入れることができますし、金とはまた違った銀ならではのスタイリッシュな輝きは、多くの人を魅了します。

そのため、貴金属回収では、金のアクセサリーなどと同様、銀のアクセサリーも回収対象となることがほとんどなのです。また、金などと同様、銀もまた電子回路やコネクタ、半導体製造といった工業製品の中にも使われています。

したがって、工業製品を回収し、それを熔解したり精錬したりすることで、金などと一緒に銀も取り出すことができるのです。

精度の高い銀を取り出す

また、他の金属にはない銀ならではの用途として、写真関連の製品との関連が挙げられます。

専用の印画紙に光を当てて化学反応によって画像を映し出す古くからある写真は「銀塩写真」と呼ばれますが、銀塩写真の「銀塩」とは、文字通り「銀」が写真に関わってくるからなのです。

ですから、貴金属回収の業界では家電などから銀を取り出すだけでなく、写真の現像などに使われる薬品やレントゲンフィルムなどからも銀を取り出す作業を行います。

銀のリサイクル工程はさまざまな方法がありますが、回収した銀を含む原料を、洗浄機で洗浄し、その後凝集剤を使ったり還元反応後遠心脱水や電気分解をするなどいくつもの工程を経て銀を取り出していきます。取り出された銀の用途もさまざまですが、純度の高い銀は銀のインゴットに加工されることが多いです。

また、アートクレイシルバーと呼ばれる「銀粘土」は、リサイクルによって取り出された銀を使用して作られているホビー用資材として知られています。

アートクレイシルバーは、純銀の日粉末が練り込まれた粘土素材で、好みの形に作ったものを焼き上げることで純銀のアクセサリーなどを作ることができるという製品です。